久々に三重県立高校入試問題数学詳解を作成しました

三重県の県立高校入試は問題と解答(数学は略解と証明例のみ)は教育委員会のHPに掲載されているけど、途中の過程は公表されないので、実は奇抜な問題が出された年は試験翌日に業界の裏側で問答が起きたりするw

それはともかく、前期日程は問題は英数国とあるんだけど、県内の高校で学科試験を課す学校は実は少ない。これは複数事情があって、まず偏差値50程度の真ん中ぐらいの生徒が受ける高校は学科試験が無くて面接と作文や実技で決まる。偏差値が中の上もしくは上の下の県立高校というのが(少なくとも中勢地区には)無くて空白地帯になっている、上位校では前期日程で学科試験が課されるが、最上位校の場合後期日程でしか生徒を取らない。例えば津西高校の場合前期と後期とチャンスが2回あるけど、津高校の場合は後期一発になる。これは北勢地区の場合の四日市高校なんかでも同じである。

何が言いたいかというと、前期の数学の問題を現役生として解く人数はかなり少ない。よって、後期の問題と解答解説の本は出版されていても前期のものは出されていない。(過去問に挑戦したい受験生には前期後期問わず需要はあると思うのだが…) 結果前期日程の解答解説というのは地球上にほぼ存在しない。そんなものを自分は過去作成してウェブで公開していた絶滅危惧種だったのだが(今検索してみたら解説付きのものを公開しているブログが1件見つかった)、暫く中学生を教えることから離れていたこともあり作っておらず、今年ふとそういえば前期の入試があったのか~から解答解説の需要があるのはいつか?今でしょ!ということで久々に作成しました。

http://k-m-l.jp/kakomon/math_ans/h31_p_math_answer.pdf

編集後記として、この角度って「どういかく」だったよね?漢字「同位角」であってる??これって放射性同位元素の同位と同じだけどこんなんだったっけ?みたいな状況。この記事を見つけたほぼ確率0の珍しい中学生は参考にしてください。

OTFが使えんぞ!

TeXのOTFパッケージで \ajKaku{01} とか \ajKakko{01} が必要になる文書の執筆をしようとしたら \ajKaku{01} は 1 と出力されて \ajKakko{01} は文字化けする!

暫くOTFに関しては \ajMaru{01} とかしか使っていなかったけど、これは問題ない。LaTeX2e 美文書作成入門 第7版 を購入してから TeX Live に乗り換えていて、それまでは W32TeX で、初めて奥村先生の本からインストールした時からOTFパッケージが使えなくて(Adobeとの相性の問題でバグる)、OTFパッケージが使えるようにプログラムを変更するのに2,3年かかったんだよね。んで、当時どこをどう変えたのかは覚えていない。

TeX Live の最新版インストールしても駄目だし、アンインストールして W32TeX を入れてみたらバグる。でも TeX 自体頻繁に使うし、そんなに長い間 \ajKaku や \ajKakko みたいなコマンドを使ってなかったっけ??と思って確認したら約1年前に作成した文書で使えてる…

で、結局そのファイルは今のノートPCで作成していたことが判明したので、調べたら W32TeX が入っていた。つまり、昔の版の奥村先生の本からインストールしたものを自分でOTFパッケージが使えるようにバージョンアップさせた先代PCのシステムがそのまま入っていたと。

んで文書作成はデスクトップでないと効率悪いので何とかせないかんのだけど、最悪ノートPCの W32TeX を移植すればいいっちゃいいのはわかっているけど、TeX 自体 TeX Live 推奨みたいだし、そっちで何とかならんのかな…

ちなみに、OTFに関して同じバグが起こっている人はいるみたい。

0は全ての数の倍数である横顔

命題:

 公倍数は最小公倍数の倍数である.

の証明

 c=\mathrm{lcm}(a,b) d a,\ b の公倍数, d c で割った余りを r\in\mathbb{Z}_{\geq0} とする.即ち,商を  q\in\mathbb{Z}_{\gt0} とするとき
\begin{align*}
d=qc+r\ ,\quad 0\leq r\lt c
\end{align*}
であり,これより
\begin{align*}
r=d-q c\ ,\quad 0\leq r \lt c\ .
\end{align*}
ここで  d q c a,\ b の公倍数であるから,上式の右辺  d-qc a,\ b の倍数である.もし  r\neq0 ,即ち  0\lt r\lt c ならば  r a,\ b の公倍数で  c より小さい正数となるが,これは  c a,\ b の最小公倍数であることに反する.従って  r=0.ゆえに
\begin{align*}
0&=d-qc\tag{1}\\
\therefore d&=qc
\end{align*}
となり, d c の倍数である. \Box

背理法による証明であるが、一瞬 ん? となる。というのは(1)までで  d-qc を倍数だと示しておいてその(1)でその左辺を  0 にしてしまうところである。この証明はある初等整数論の証明を自分なりに書いたものであるが、 0 が全ての数の倍数であることの断りや説明が無いので ん? となる。結局(1)では 0 a,\ b の倍数であるからこの式は普通に成立する.

これはG先生の動画で(確か無限等比級数の収束の話題だったかな)左辺で文字の範囲が制約された上で右辺を得るのだが、右辺を見たときにその右辺の文字は左辺での制約を超えて成立してしまうという話から思い起こした。

 

 

とある証明(初等整数論)

とある初等整数論の命題の系の証明で x^2+1=0を満たす xについて引っかかっているのだが、抜粋すると\begin{align}
|\{x\in\mathbb{F}_p\mid x^2+1=0\}|=1\ \ (p=2 のとき)
\end{align}

に対する証明で

\begin{align*} p=2 のときは x=1 だけが x^2+1=0を満たす.\end{align*}

で済まされている。もちろん代数方程式としてx^2+1=0は実数解を持たない。恐らく基本的な命題(系)であると思われるので別の証明をネットで検索してみたら幾つか同じ命題があったのだが、その証明が全て同じ文言。ちなみにこの系は p\equiv 1 \mod 4のときとp\equiv 3 \mod 4の場合が続くが、全体の証明は3行で終わっている。検索で引っかかったものには卒論も含まれているのだが、それも含めすべてこの命題に関して全く同じ文章になっている。つまり自分と同じ教科書を見て丸々引用されているわけだ。

教科書に関しては奇素数 p\equiv1\ \ \text{or} \ \ 3\mod 4も証明されていないし、p\equiv 1 \mod 4について若干不親切な証明を示した後、 p\equiv 3 \mod 4については「その他」的扱いで言及が一切されていない。

 p=2 のときは x=1 だけが x^2+1=0を満たす.」は誤植ではないようで、恐らく前節に書かれている「以下,誤解の恐れがない限り,整数 a\in\mathbb{Z}に対して \mathbb{F}_pの元 \overline{a}=a+(p)を単に aと書く.」がトリガーではないかと思われ、素数の剰余環 \mathbb{F}_p=\mathbb{Z}/(p)について復習せよということ、即ち「 x=1」という表現が具体的にどのような数(集合)であってx^2+1=0を満たすのか(この問いに関しては p\gt 2の場合も同様)だとは思うのだが…。いかんせん具体例が欲しいところである…。

結局、教科書のこの節に関して、問題となっている系の手前の命題まで全て証明は消化できているので、自分なりに証明を行ったら教科書3行の証明が半頁以上の分量になった。しかも p=2も特別視せずに前の命題に組み込んだ形に記述できたので逆に自分の証明が完全なのか不安…。暫く図書館も休みだしなぁ…。

“来年”

“来年”に関するヴィジョンというのは実は以前より良くなっている。

というのも、この2ヶ月ぐらいの間に楽器・機材に関する考え方の変化が起こった結果、色々と整理できる見通しが立ってきたからである。

更に、個人の制作においても外の制作においても、今後絶対に必要となるものの購入は諸般の事情により可能な限り来年9月までに勝負をかけることになる。

またDTMを行うにあたって、先日発表された某社某モデルのコンピュータが現状コスパ最強という情報が入っており、マニピュレートを行うことに特化した唯一のDTMソフトも判明した。そのコンピュータは持ち出し可能であり、この導入が実現すると圧倒的に作業が効率化すると考えられる。

 

期待されていることには只々感謝。

さっさと鍵盤の練習だ。